2021 12月 こどものくにだより 園長 北野暢隆
「今年度中に総額400億円以上の契約延長になるのでは」というお話を聞けば、みなさん誰の事を言っているのかすぐにお判りでしょう。
アメリカのメジャーリーグで歴史的MVPを受賞した、大谷翔平選手です。彼のその快挙は、現地メディアでもクローズアップされ、MVPの反響はいまだに止む気配がないようです。
バッターとピッチャーの二刀流を果たし、それに加えて、ランナー(走塁)としても、群を抜いた結果を残し、謙虚さやマナーなどの人間性まで備わっているとして、大きく取り上げられています。その評価は、ちょうど100年前に二刀流で活躍した「べーブルース」の再来、いや、総合的に判断すると、べーブルース以上だとまで、言われています。それほど、メジャーリーグで両刀使いは不可能と思われ、この100年間、勝つために投手、打者、走者を分業せざるを得なかった事情があるのです。大谷選手の快挙が如何に野球の本場のアメリカ人を驚愕させたのか、お分かりかと思います。
高校時代、日本のプロ野球、メジャーリーグと、彼にはすべて運があった、という人もいます。
しかし、彼には、迷いはありませんでした。打者と投手で行くという強い信念があったからです。岩手県の花巻東高校で甲子園を目指すも、夢は、かないませんでしたが、当時の野球部の佐々木監督から言われた「先入観は、可能を不可能にする。」、この言葉を心に刻み続けていたということです。
「どうせできないのだから、大人の言うことを子どもは聞くべき、自分自身もそうであったように、子どもは子どもらしく、大人の言うとおりにやってればいいの。」と、まだ思われていることはないでしょうか。
できるという先入観によって、今、大谷選手のみならず、将棋界の彼も、先日、ショパンコンクールで世界に絶賛された彼も、自分自身だけではなく、みんなに勇気を与えてくれました。
園では、各クラス、各場面で年齢に合わせて、子どもたちの考えを聞くようにしています。小さいながらも、各年齢にあった意見や考え方を徐々に引き出せるように取り組んでいます。
年齢が上がるにつれ、自分で判断し行動に移すことに徐々に慣れてもらうようにしています。そうすることで、より様々なことに興味を持ち、失敗と成功を重ねることが、成長には欠かせないことなのです。就学前の自信と経験の積み重ねが、満足感や達成感へ、そして、これが今、将来求められている「自主性、主体性」につながっていくのではと思います。
先入観にとらわれず、子どもたちを信じてあげることから、子どもたちを取り巻く環境を整えてあげたいものです。
12月の予定
11日(土) たのしいつどい
16日(木) ゆり組親子遠足
24日(金) クリスマス会