2022 5月 こどものくにだより 園長 北野暢隆
先日、中国地方のある保育園で、園児がわずかな生垣の間から園外に出て、近くの川で水死するという痛ましい事故が、報道されました。
今時、保育園の外部との境界が、生垣?しかも、こどもがすり抜けられる隙間があったなんて、管理上の問題があるのでは、とだれもが最初に思われたのではないでしょうか。
ところで、我が子が通う保育園は、いかがなものか?しっかりとした柵と鉄の門扉を思い起こされ、安堵されたのではないでしょうか。
でも、お話はここからです。前述のお話が、事故であろうが事件であろうが、子どもたちにとっては、その危険性を予測するにまだまだ幼なすぎるということです。
小さなこどもにとって、わずかな隙間や狭小な空間ほど魅力に感じるものはないのです。身体が通らなくとも、頭だけを通してみたり、空間がなければ、身近にあるナイロン袋を頭からかぶり、空間を作ってしまったり、その結果・・・
おまけに、制限がない自由な空間だと、車が走っていようが、電車が来ようが、お構いなく突然、走り出してしまうという特性まで持ち合わせているのです。
わき道から、急に飛びだしてきたり、歩道でお話に夢中なお母さんの傍らにいた小さなこどもが車道に走り出てきたり、そんなことに何度か出くわしています。
2019年9月、山梨県キャンプ場で行方不明になり未だに所在不明の小学1年生もわずか100m程先の友達のところへ行くだけだったのに、その我が子の後姿を見送ったのが最後になってしまいました。
毎年のように、車に取り残されたこどもが、熱中症で亡くなる事故が報道されているにもかかわらず、事故が無くならないのはなぜでしょうか。
予想のつかない行動を起こしていたわが身の幼少期のことはすっかり忘れてしまい、つい、油断していると、そこに取り返しのつかない結果しか待っていないのは、世の常です。
こどもの奔放さ、第三者の思わぬ加害、そして、時には、容赦なく、牙をむく自然の力も忘れてはならないことです。それは、子どもたち自身が経験したことのないものであり、知識と経験を持つ周りにいるおとながそのリスク回避に向け注意を払ってあげることが必要です。
難しいのは、その結果、すべての自由を束縛し経験値を奪ってしまうことにならないかということです。成長に必要な経験値は、失敗の度合いや痛みから得られるものですが、その度合いが難しいところです。
5月の予定
12日(木) 園外保育(各クラス)
14日(土) 春まつり
19日(木) 歯科検診
27日(金) お誕生日会