2023 2月 こどものくにだより 園長 北野暢隆
ここまで来たか!
何かの掛け違いによるものかは、現段階では不明ですが、こどものスマホの使い方が火種となっての親子喧嘩の末、母親が刃物で刺され死亡するという痛ましい事件が起こってしましました。半月ほど前のことです。
スマホの功罪については、様々なご意見があろうかと思いますが、これまでも申し上げてきましたように、こどもにとってのスマホは、功罪どころの話ではなく、高罪、大罪?でしかないのではと思います。「よほどうまく使わないことには」と、遠回しで言っている場合ではありません。今回のような事件に発展しまうことは避けられないのではないかと思います。
小学生を抱えるご家庭を対象にしたアンケート調査で、こんな結果が出ています。
こどものスマホを取り上げたことがあるご家庭が、60%超え、また、その後、親子関係が険悪になったご家庭が、半分近くに上っている、との結果が出ています。
スマホには、あらゆる機能が装備されています。ネット環境が整っているからこそ可能な様々な、商品が取り揃えられています。
好奇心をそそるユーチューブは、小さなこどもたちの心を虜にしていきます。ネットサーフィンと言われる蟻地獄への助走が始まります。
ゲームは、小さなこどもでも取りつきやすいような簡単で面白いものが揃っています。
今、リアルでスピーディーな動きのあるゲームに没頭する子どもたちが、いずれ、ゲームから抜け出せなくなる状態になったり、多額の課金までしてゲームを続けたくなったりする、いわゆる「ゲーム依存症」について世界保健機構が警鐘を鳴らしています。
また、LINEと言われる通信手段は、いずれ友達からの返信はスピード勝負という段階に入っていき、ひと時も手放すことができない状態に陥ってしまいます。
スマホとは、そうした魔力を持つものとわかっていても、制限を掛けられない。その結果、スマホと向き合い続ける状態を見かねて、ご家庭では、取り上げざるを得なくなるのでしょう。
でも、一旦使い始めると手放せなくなります。こども料金と言って格安設定にされているのも、業界の思うつぼです。IT関係のトップは、こどもにはスマホを使わせていないと言われています。彼ら専門家は、スマホの持つ脅威をよく知っているからなのです。国語力やコミュニケーション能力が育たないことを承知しているからです。
コミュニケーション能力といえば、礼儀礼節をわきまえていない社会人が増えているといわれています。スマホ世代とともに育ってきた人たちは、スマホのいわゆる“LINE”を使い、やり取りをするものですから、相手の表情や声の大きさスピードから感情を読み取る力がなくなってきていることは仕方のないことかもしれません。
とはいうものの、こどもたちが将来、感謝や謝罪の言葉、そして、挨拶がはっきりと言えるように育って欲しいと思うのは、万国共通した思いではないでしょうか。
2月の予定
3日(金) 節分
7日(火)~10日(金) 園庭遊具工事
22日(水) 避難訓練