メニュー 閉じる

2023年9月園長だより

2023 9月 こどものくにだより  園長 北野暢隆
運動会の季節になりました。運動会と言えば、お遊戯などのリズムを取り入れた動きとリレーや棒倒しなどの競技が思い起こされますが、どうも最近は、様子が違ってきているようです。
学校においては、成績も運動会でも順位を付けないところが増えてきているようです。
確かに人間ピラミッドなどの組体操は、毎年、骨折などの状況からみると、もっと早い中止の決断をすべきものだったと思いますが、一方で、徒競走をしながらゴール手前で止められ、みんな一緒にゴールをするというのはいかがなものでしょうか。
 競技では必ず、勝者と敗者が決まります。運動部に属していた生徒や学生たちは、そのほとんどが、敗者であり、苦汁をなめ続けて、ついには、競技人生を終える訳です。それでも、社会は、その過程を非常に高く評価しているのです。
それは、単に負け続けた結果だけに終わっていないからです。
まだまだ幼いときは、競い合うということを軽く考え、勝敗を意識していないのかもしれません。ところが、勝敗の結果を目の当たりにすると、自分を納得させることができなくなります。園内でも露骨に勝つことにこだわるお友達もおれば、友達同士で、お互い切磋琢磨しあいながら、技術を磨く姿も見られます。できなければ、負けないために、あらゆる努力をする、負けても、次のチャンスにどうすれば勝てるのか、考えて、そして、工夫をする、日増しに、その意識が強くなっていくのがわかります。それでも、ほとんどの人が、また、負けてしまいます。そして再度チャレンジする、そこに、人としての大きな成長があるからです。
一方で勝者は、それでいいのかというと、決してそうではありません。
それまでの努力が報われたという点では、非常に有効なのですが、少しの努力やたまたま乗り切ったということになると、それは何の成長にもつながっていないことになります。
また、井の中の蛙的な状況で育つと、つい、大海に出たときに、大きな挫折感を味わうことになってしまうというお話をよく耳にします。
毎年、運動会では、鉄棒での逆上がりやリレーを行います。
9月になると、手のひらのつぶれた豆を自慢そうに見せてくれるお友達が増えてきます。
公園や、園舎玄関前で、ダッシュを繰り返しするお友達もこれまでいました。
結果は別にして、誰一人、険しい顔をしたお友達はいません。「これだけ私は、やってきたんだよ。」と、それは、日増しに自信に満ち溢れた表情を見せてくれるようになります。
これこそが、運動会の最終目的だと思っています。

9月の予定
 29日(金) お月見会

Top