2024 1月 こどものくにだより 園長 北野暢隆
「大ピンチ図鑑」というものが流行っているらしいというニュースを聞き、早速買いに走りました。表紙は少年がコップから牛乳を注いでいる絵、コップの周りには、おそらく溢れた牛乳が、テーブルの上を濡らしています。それを「しまった!」というような表情のこどもの絵がすべてを伝えています。
でも、これだけでは終わらないのです。テーブルの上にこぼれた牛乳をすすろうと、頭をテーブルに近づけたところ今度は、頭がコップにあたり、コップ一杯に注がれた牛乳が、テーブルいっぱいにぶちまけられてしまいます。
さて、この絵をご覧になった保護者の皆さんは、家でこんなことをさせては、大変、こどものピンチよりも「こんなことになっては、親のピンチだわ!」と、まさか思われてはいないかと思います。
今は何かと失敗させないように、お膳立てしてしまう、言い方を変えれば、こどもの自主性を奪ってしまっているのでは、ということがよく言われています。失敗を回避させることは、こどもたちの成長のためになっているはずがありません。こどもに失敗をさせる覚悟と失敗後のこどもたちへの成長の糧にするための言葉かけこそがご両親、私たち大人の出番、役割なのです。
ただ、命にかかわるような取り返しのつかないようなことに至らないため、また、人に危害を加えるようなことになる恐れがあるなら、それは、言葉掛けも必要になってくると思います。
運動会が終わったころから、こどもたちも例年大きな成長を見せてくれます。
4月に入園されたさくら組のお友達も、10月頃には、先生が行う日常業務に興味を持ち始め、一人二人がお手伝いをしてくれます。保育室に入って左にある個人のおむつなどを入れてある黒いかごを棚からこどもたちが下ろし部屋の反対側にいる先生のところまで持ってきてくれます。そこで、先生がおしめなどを補充し、かごをまた、元の所へこどもたちが戻してくれるのです。入れ方が間違う場合もありますが、「〇〇ちゃん、それ反対」と言われれば、正してそれをセットしてくれます。「よくできたね」と褒められるとこどもたちもさらに満足な顔をする。
こどもたちの達成感、満足感がわたしたちにも伝わります。それを見ている、他のおともだちも僕も、わたしもとお手伝いをするようになるわけです。その循環がこどもたちの成長を促してくれるのです。
「人に愛されること」「人に褒められること」「人の役に立つこと」「人から必要とされること」この四つが人間の究極の幸せであると、ある住職さんが言われたということです。
幸せな中、失敗を何度も繰り返し、そして成長する、そんな環境を整えてあげたいものです。
1月の予定
5日(金) 新年のつどい
26日(金) ゆり組カレーづくり
31日(水) 避難訓練