2023 12月 こどものくにだより 園長 北野暢隆
保育園では、毎日のように言葉遊びをはじめ、年長では、こどもたちに園内放送をしてもらっています。「ことば」を重要視しだしたのは、学校現場において、授業についていけないこどもたちがたくさんいるということが聞こえてきたからです。
授業についていけないとは、どういうことかというと、そもそも先生の言われていることが、理解できないことから始まります。また、小学校で、9割のこどもたちが教科書を読めていない、つまりは、クラスで2,3人のこどもたちしか教科書を読めていないという事実がわかってきました。
「ひらがなが読めれば、とりあえず、学校に行って、教科書を読み、先生が教えてくれるはず。あとは、本人が勉強したら、成績は上がるはず。」そう思っておられる保護者の方も多いはずです。
でも現実は、そんな生易しいものではありません。
わたしたち、大人を例にとると、もっとわかりやすいと思います。専門性の高い、例えば会議に出席したとすると、さらにそこでの話すスピードが、速かったら、苦痛を感じてしまい、耳を塞いでしまいたくなるのは、簡単に想像できるのではないでしょうか。初めて聞く専門用語が一つでも使われており、それが、キーワードとなる重要な言葉であれば、なおさらのこと、理解がストップしてしまいます。
語彙(ごい)(単語)の重要性が、お分かりになっていただけることと思います。たった一つの言葉につまずいたり、理解できなかったりすることにより、話の全体像が見えてこなかったということは、誰しもが経験されているのではないでしょうか。
ですから、こどもたちにも、今、単語(ごい)が重要だということです。どれだけの言葉を知っているかということ、加えて大事なことが、言葉を集めた短文をできる限り理解することです。頭の中で、映像として、浮かんでくるようになれば、教科書の理解度も、そして、小学校へ行って誰もがつまずく算数への興味も格段に上がってくるのです。
さくら組やもも組のこどもたちも、日々、新しいことばを繰り出しています。おそらく、ご家庭で、こどもたちへのお話や、ご家族の会話を耳にしている9頻度が非常に高いのではないかということが安易に想像できます。
できる限り言葉を覚えてもらうためには、「それ」や「あれ」などの指示代名詞は、使わない、出来るだけ、「それ」が示す言葉、そのものをこどもたちに聞かせ、たくさんの読み聞かせをしてあげ、お話をしてあげることだと思います。
オノマトペと言われる、擬態語・擬声語をふんだんに使って、言葉への興味、そして、コミュニケーションの楽しさから、実のある人間関係を作っていく素晴らしさを知ってもらいたいと思います。
(オノマトペ:シトシトと雨が降る。テキパキと仕事をする。ドキッとする。ソワソワする。のカタカナの部分)
12月の予定
9日(土) たのしいつどい
15日(金) ゆり組 親子遠足