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2024年6月園長だより

2024 6月 こどものくにだより  園長 北野暢隆
先日テレビでやっていたのは、ハワイのオアフ島、観光地で有名なワイキキビーチの裏山を160㎞2日間ノンストップで走り続ける過酷なトレイルランレースです。そうしたレースをグレートレースと呼んでいるようです。ランナーたちは極限状態になりながら進み続け、ゴールを目指します。そんなことをして何の意味があるの、「馬鹿じゃないの」と思われるかもしれません。
その昔、鯖を食べたい京都の人たちの食心を満たすため、商人が歩いた福井県小浜市から京都、出町柳までのルートを「鯖街道」と呼んでいます。10年ほど前、行程距離71km(さばを読んで、いつも80kmと言っていますが、)のこの街道をあることをきっかけに仲間で夜を徹して、歩いたことを思い出しました。夜中の12時に小浜市をスタートして、直ぐに後悔に陥ります。睡魔と疲労に堪え、息絶え絶え、15時間ほどかけて、京都の出町柳にゴールしたときには、京都出町柳駅にいた人たちが一斉に私たちを祝福と共に出迎えてくれたような錯覚にとらわれました。何事にも代えがたい充実感、経験者にしかわからない達成感、そして、自らの能力の程度が分かったという満足感などがよみがえってきました。
「小さな子には旅をさせよ」「かわいい子には、旅をさせろ」ということわざがあります。集団登校途中のこどもたちの列に車が突っ込んでくるといった事故や誘拐事件をはじめとしたさまざまなニュースが報道に取り上げられては、なかなか、かわいいわが子を外に出すことにためらいがあるのは当然です。かといって、一歩も外に出ないことが、この先、数々の困難に向き合うことになるこどもたちにとって、本当に最良の選択といえるのか。それは、火を見るより明らかです。
先月は、3歳児のすみれ組以上が、2km先の城北公園へ遠足に行きました。歩くことは運動の基本であり、身体づくりへの近道です。それだけではなく、途中、集団行動としての、また、交通のルールを学びながら、無事帰ってまいりました。
「殻を破る。」というように、人の成長は、よく卵の殻に例えられます。
小さなこどもであっても、積極的に挑戦し、殻を打ち破っていく姿を目にすることがあります。その能力に驚かされることも多々あります。
小さなこどもにとって、分厚い殻は破れません。小さな時に、出来るだけ薄く小さな殻を打ち破っていく、その経験の積み重ねが、将来、大きくて分厚い殻に出くわした時、それに対処できる力が身についていることになっていることを忘れないでほしいと思います。
大谷翔平選手が、いつも言葉にする「先入観は可能を不可能にする。」
こどもだからできないと思ってしまうことへの戒めです。
この子の成長のために一度やらせてみよう、そんな姿勢も時には必要なことだと思います。親離れと子離れは、いつの時代も常に抱える課題です。自らできるという自立心の育成は、将来にわたって大事なテーマです。

6月の予定
4日(火) 眼科検診
20日(木) 万博公園バス遠足(ゆり・きく組)

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