メニュー 閉じる

2022年11月 園長だより

2022 11月 こどものくにだより  園長 北野暢隆
 秋と言って連想することばは、「食欲」と「スポーツ」です。
 先月は、その一つに関係する「運動会」を実施いたしました。この類の行事については、いつも議論されることがあります。各ご家庭にとっては、「我が子の最高の成果を見せてもらえる。」と、大きな期待を寄せ、保育園や学校施設では、「最高のものを見てもらわないといけない。」と、余分なところに力が入りすぎてしまい、最近では、それが批判材料となることがしばしばです。
 ある学校では、運動会の準備に対する姿勢に疑問を持たれることになり、そもそも運動会って必要なのか?という議論も出ているようです。こどもたちそっちのけで、こどもを威嚇、恐怖で統率されている現場を見られた保護者のごもっともなご意見です。
 運動会が、何故、軍隊のようだといわれるのか?それは、そもそも戦後、教育に軍隊の精神をそのまま移行しようとしたからです。「整列!」「前にならえ!」「前に進め!」は、その名残です。
 先月、運動会を開催いたしました。なぜ、運動会が保護者の皆様方の参加の中で行う必要があるのか。
 運動会の冒頭のご挨拶でもお話いたしましたが、運動会は、一年の運動に関する総括の日です。ここに至る一年間、様々なことに取り組んでいます。足腰を鍛えるために、毎日のように走り、体幹を鍛えるために、1歳児からサーキットトレーニングも行っています。リトミックにより、リズム感も養っています。
成果だけなら、リハーサルの写真やビデオのデータ提供で十分です。保護者の皆様にご足労をいただいて、運動会にご参加いただいているのは、お父さん、お母さんから応援いただく中で、お遊戯や競技などを行い、今までにない緊張感を持ちながら、こどもたちに持てる力を存分に発揮できる場を提供してあげるためだと考えています。
それ以上に、大事なこともあります。個人のみならず、チームとして得られた達成感や満足感、また、競技には、そもそも勝ち負けが明確にあるという現実を知ること。それに伴い、競技の勝敗に付き物の優越感や劣等感を体験してもらい、どう自身の成長につなげるのか。競技に負けることへの悔しい感情が出てくることの現実を知り、負けて泣く子を見てどう思うのか。人へのいたわりの気持ちが育まれたり、昨日できたことが、今日できなくなったことが、なぜこんなに悔しいのか、見直す機会となったり。練習次第、努力次第でそれを乗り越えられることを身をもって学習されたり・・・・と、挙げればきりがないほどです。それを職員が目の当たりにし日々感動させられています。
こうしたプロセスが、必ず、こどもたちには、次の成長への糧となることを信じています。
それが、運動会の最後のごあいさつで、「お帰りになりましたら、よく頑張ったとほめてあげてください。」と申し上げた理由です。

11月の予定
  10日(木) バス遠足(ゆり、きく、すみれ)
  21日(月) 内科検診(午後)

Top