2023 5月 こどものくにだより 園長 北野暢隆
「春眠暁を覚えず」いつの時代も、春の季節の眠りほど心地よいものはありません。
みなさんが、ご入園されるときに必ずお伝えしていることがあります。
しっかりと体を動かすこと、食べること、寝ること、この循環が、こどもたちの成長に最善の働きを促すということをお話させていただいたと思います。
今月は、この中で、「寝ること」について、改めてお話しさせていただきます。
就学前のこれからの大事な成長期に、何故睡眠が大事か。それは、「加熱した脳を冷却させるため」、この一言に尽きます。小さなこどもたちにとって、日中、五感を使って膨大な情報を吸収した脳は、大きな熱を持つと言われています。それを翌日の情報収集のため、冷却に睡眠が必要だと言われているのです。まさに、脳を成長させるための最重要行為だと言えます。就学前のこどもさんであれば、13時間から14時間の質の良い睡眠が必要です。
以前、国が就寝時刻を調査した結果によると、4歳児半のこどもでは、午後9時台が50%、10時台が20%という結果が出たようです。学校へ行ったら、そのうちいつか、勉強ができるようになると思われているのでしょうか。就学前のこの時期、学習に対する事前準備段階として最も必要なことが「質の良い睡眠」だということを再度お伝えいたします。
よく「早い時間に寝てくれない。」とか、「よく眠れていない。」という話を聞きます。
睡眠が浅い原因は様々です。小さなこどもでも、睡眠時無呼吸症候群病気があるので注意が必要ですが、ほとんどの場合、運動不足と就寝時の環境です。昼間のしっかりとした運動量は、夕食とお風呂が済めば、自然と寝床で熟睡できるはずです。ところが、ご両親がお仕事で遅くなったり、ご家庭でのお話についつい、付き合わされたりすると、折角の寝るタイミングを逸してしまい、体内時計が、徐々に狂ってきてしまうことになります。そうなると、朝、余裕をもって起きることは、もはや不可能、ぐずられるは、朝ごはんの食事量もだんだんと減ってくるはで、最後は、食べずに登園ということになってしまいます。お母さんの激高する姿、朝の戦争状態が目に浮かびます。でもこれは、理想の姿ではありません。「早寝」ではなく「早起き」の習慣をつけてあげてください。起きて直ぐは、いくらおいしい朝食でものどを通りません。先ずは、カーテンを開け日の光を浴びて余裕持って食卓に着くようにしてあげてください。しばらくは、慣れるまでが大変でしょうが、保育園での運動量を考えると、自然と、夕食、入浴からのスムーズな就寝への移行は、そう難しい課題とは思えません。何よりも、夜は、こどもたちの寝るための環境づくりにお努めいただきたいと思います。土日の午前中は、ゆっくりと朝寝を貪りたいところかもしれませんが、それに付き合わされるこどもたちは、体内時計を狂わせてしまうことをお忘れにならないように。
5月の予定
10日(水) 歯科検診(全クラス)
15日(月) 内科検診(全クラス)
19日(金) 遠足(ゆり組、大阪市立科学館)
26日(金) 遠足(全クラス)