2024 3月 こどものくにだより 園長 北野暢隆
3月と言いますと、つい昨年のWBC、野球の世界大会で優勝した日本チームのことが思い起こされます。出場する多くの国がメジャーリーガーをメンバーにたくさん取り込んでいただけに勝ち上がることは、並大抵のことではなかったのではないかと思います。
その中で日本チームが、世界大会優勝というあの感激の結果につなげてくれた勝因は、何だったのでしょうか。
野球に限らず、団体競技は、個の力、得点源になる人に兎角スポットが当てられやすいところがありますが、チームの強さは、力や技以上に大事なのが、チーム力、言い換えると人間関係の良さや団結力の強さが、その根底にあるのです。
昨年、大会前の練習する風景の中にメジャーリーグで活躍するピッチャーのダルビッシュがいました。本番を前に緊張する若手選手に積極的に話し相手になり、ダルビッシュ選手が持っている技術を惜しげもなく伝授していたようです。
また、決勝戦では、皆さんもご存じのとおり、大谷選手の名言「あこがれるのをやめましょう!」と、あの一声で、同じ土俵で戦う心の準備が整い、全員が力を出し切る準備が整ったと言えるのではないでしょうか。
これまで、皆さんの人生を振り返り思い返していただくと、自らの成長に大きな影響を及ぼした人がいたことがわかると思います。そんなに多くの顔が浮かんでくることはないと思いますが、あの人に出会ったおかげで、自分を見直すことができた、大きく成長した、自信を持てた、今の自分がいる、そんな出会いがあったはずです。
人に育てられ、人を育てていくことは、私たち人間にとっての宿命です。人生の転機を迎えるときにしかるべき人に出会い、正しい方向へと大きく舵をとることができるようなケースが一つでも増えれば何よりです。
そもそも、人間は、一人では生きられない生き物ですし、社会が、そのような仕組みになっています。人と人とのつながりは、非常に重要です。待っていても、誰も施しはしてくれません。会話と同様、積極的に相手への働きかけをしていかなければ、心も開いてくれないでしょうし、良いアドバイスもいただけないことでしょう。
組織は、様々なところで構成されています。働く仕事場であったり、保育園のクラスであったり、地域の町内会であったり、もちろんご家庭も小さいながらも組織です。
その組織の役割は、互いのモチベーションを高め、人を育て、組織をより強固にするところにあります。前述のWBCを例にとれば、人生に大きな影響を及ぼしてくれるキーマンの存在が個の力を引き上げ、組織力を何段階にも倍増させた結果、優勝という目標を手繰り寄せたのです。
保護者の皆様におかれましても、家庭という組織をあらゆるものに打ち勝てるようにより強固にし、こどもたちを取り巻く環境を整えていただければ、自然と持てる能力を最大限に発揮できるようになるのではないかと思います。
3月の予定
1日(金) ひなまつり
16日(土) 卒園式
30日(土) 次年度準備のため休園日