2024 5月 こどものくにだより 園長 北野暢隆
今月から、いよいよ年長クラスで、国語辞典を使いながら、言葉遊びを始めます。
何故、そんなに早くから、しかも、紙の辞書なんかを使うのと思われるかもしれません。小学校へ行っても、1年生から、おそらく辞書などは使わないでしょう。
また、将来スマホを買い与えるのに、紙の辞書なんて時代遅れではないかと思われることと思います。今や、スマホなどに言葉を投げかけると、答えを教えてくれます。文章を作ってくれます。何なら、少しヒントを与えてあげるだけで、手紙や小説も今のAIなら簡単にこなしてしまうでしょう。
それでも、何かをきっかけに一つでもたくさんの言葉を覚えていただきたいという思いに至るのには、理由があります。それは、読み書きはもちろんのこと、先生のお話を聞き取り理解できるようになるためなのです。
保育園を卒園すると、今度は、長い学校生活が始まります。学校では、大きく二つのことを柱としています。「勉強、学習の向上」と「人間関係の構築」です。そして、それに向けて様々な取り組みが行われます。
学校では授業における先生のお話が中心になっていきます。ここで、大事なことが、人の話をスムーズに聞き取れるか、理解できるか、ということなのです。
おとなの世界でも、専門用語が飛び交う専門会議などにおいて、時として会話についていけないことがあるのと同じなのです。キーワードとなる専門用語の理解をしなければ、会議に参加していることが無駄になるのと同じことなのです。
こどもたちにとっても、スムーズにお話が聞き取れるようにするためには、語彙数(単語)をできる限り増やす必要があるわけです。そして、その言葉によってできた文章が、頭の中で映像化されているか、どうかということなのです。
1歳児のさくら組では、一番伸びる時期ということもあり、どのクラスよりも言葉の学習の成長が顕著にみられます。園での言葉掛けももちろんありますが、何よりも、ご家庭でのこどもさんへの言葉掛けの頻度や、ご両親の会話に耳を傾け、行動を注視されておられるからなのです。
ご家庭での対話の時間数がそのままこどもたちの語彙力に比例すると言っても過言ではありません。ご両親の言動がこどもたちの語彙数に大きく影響していることは間違いない事実です。
だからこそ、ご家庭でのスマホの使用制限をお願いいしているのはそのためです。
この一年、こどもたちは、そうしたご家庭で得られたことばをベースに、辞書などを使い言葉遊びをさらに拡大し、より多くのことばを覚えていってくれることと思います。
5月の予定
1日(水) 歯科検診(全クラス)
24日(金) 城北公園遠足(ゆり、きく、すみれ組)
27日(月) 内科検診(全クラス)
30日(金) 避難訓練