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園長だより 2020.5

2020 5月 こどものくにだより  園長 北野暢隆
他人事のように思っていた新型コロナウィルスも、テレビでおなじみの志村けんさんが、感染し亡くなられるという衝撃的なニュースを聞くと、強烈な危機感を抱くようになりました。
特別追悼番組が、いろいろと放映されましたが、中でも、志村さんの人柄がよく見て取れた、志村どうぶつ園の再放送は、特に印象的でした。
その番組では、主にチンパンジーのパンくんとの生活の中で、その成長を見せてくれるものでした。チンパンジーと志村さんのごくありふれた生活の記録映像ですが、時として、チンパンジーと思わせないほどの成長を見せてくれ、驚かせてくれました。
映像では、パンくんなどに、大きな声で怒鳴りつけたり、高い位置から声をかけたり、怒った表情で対応することもありませんでした。同じ言葉を何度も繰り返し声掛け、そして、たくさんの言葉をかけ、常に、穏やかな表情と柔らかい物腰での対応が見て取れました。それは決してテレビ映りのためのパフォーマンスではありません。そう言い切れるのは、パンくんは、収録が終わると志村園長に抱きつき、収録が終わっても、志村さんは、なかなか返してもらえない状況もみられました。志村さんといることが、楽しくて仕方がないのはだれが見ても明らかだからです。
どうせテレビ用にしっかりとしたパンくんの調教師が、付いているのだろうと当初は思っていましたが、当の飼い主の方からのお話では、志村さんだからこそ、ここまで成長したということでした。
志村さんの全身全霊で取り組む姿や、一瞬で動物の心をつかむ技術など、そこには、なかったように思いました。只々、パンくんに対して、同じ目線で、柔らかな表情で、言葉かけを繰り返す。
動物と人間とは、違うとはいうものの、保育、子育てというのは、本当に、こうありたいと思いました。
緊急事態宣言が発令され、家族が顔を突き合わす時間が長くなると、意外な弊害が出てくるようです。夫婦喧嘩、ⅮⅤや虐待などの件数増加が、ニュースで取り上げられていますが、こんな時こそ、ご家族で、ゆっくりと、お互いの目線で向き合い、会話を重ねていただくことで、親子の絆が、一層、深まるのではと思います。

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