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2023年1月 園長だより

2023 1月 こどものくにだより  園長 北野暢隆
 1歳そこそこの小さなこどもでしょうか。画面からは、冷蔵庫から出したミルクをテーブルのお盆に乗ったコップに注ぎ、お盆ごとリビングにいるお母さんかお父さんに運ぼうとしている真剣な様子が伺えます。ところが、床が濡れていたのか、滑って転んでしまいます。当然、コップに入ったミルクを全部、床一面にぶちまけてしまいます。
それでも、そのこどもは、くじけません。再度、ミルク運びにチャレンジします。今度は、先ほど床にこぼしたミルクに滑って、また、全部のミルクをひっくり返してしまいます。
それでも、・・・。たぶん、この一連の行動をビデオで納めておられるのは、保護者であろうかと思います。
決して、後日、笑いの種にしようなどとは、思われてはいないと思います。我が子のほほえましい姿、失敗を重ねて成長する過程を単に記録されているのでしょう。
兎角、わが子には、かわいそうだから失敗をさせないようにとか、後の始末が大変だから失敗させないようにと、何かと気をまわしがちなところがありませんか。
何もしないより、何かをして失敗するほうが、はるかに大事だということはよく言われることです。それは、失敗することで、学習するからです。
昔、私のこどもがよくやっていたロールプレイングゲームのことを思い出しました。同程度の強さを持つ敵と戦う中で、その経験値が高まってくる、そして、それを繰り返していくうちに、最初、一蹴されていた強大な敵に勝つほどの力を蓄えられるようになるという内容でした。
おとなは、今に至るまで、数多くの失敗と経験を積むことで、失敗による痛手を軽減するように、出来るなら失敗をしないように考えます。それは、失敗したときの精神的苦痛や手間など軽減したいからです。こどもにも失敗させたくないという気持ちはよくわかります。でも、こどもの成長のためには、失敗を経験させることが大変重要なことで、むしろ、成長には欠かせない要素だと言っても過言ではありません。
昔、身の回りのことをすべて親が片付けてくれるという環境に育った知人がいましたが、社会人になって、少しのことにつまずいたとき、もう立ち上がれなくなったことに驚いてしまいました。
あれはダメ、これもダメでは、伸びるものをただただ抑えつけてしまうことになります。おとなが敷いたレールの上を走らせるだけでは、自ら考える力のない人間、立ち上がれない人間に育つだけなのです。
リスク回避と見過ごせる範囲との区別をつけることは、大変難しく、また、勇気のいることでもあります。ここが子育ての難しいところでもあります。

1月の予定
  6日(金) 新年のつどい 
  20日(金) ゆり組カレーづくり
  30日(月) 避難訓練

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